AKIRA st stage

(大阪・樟葉)

 

長く使い続けるには、自然のものがいい。
オーガニック系化粧品というのが気に入って、 オリオセタを導入しました。

 


粟田 輝

24歳から美容師をはじめ、1999年、山根エイジ氏のニューヨークドライカット・ライブを見て感銘を受け、技法を習得。2001年、大阪・樟葉に「AKIRA 1st stage」をオープン。4年前に改装し、ヘッドスパルームを設置。
現在は、サロンワークを中心にしながら、ニューヨークドライカットを伝承するため、講師活動も行なっている。

Salon Data/・店名:AKIRA st stage(大阪・樟葉) ・所在地:大阪府枚方市 ・スタッフ数:7名 ・坪数:約17坪 ・セット面:4面 ・シャンプー台:1台 ・ヘッドスパルーム:1
お客様のキレイを引き出す。
それをモットーに お客様と対峙する

京阪本線・樟葉駅から徒歩15分、高級住宅街が広がる一角にある美容室「AKIRA 1st stage」は、ニューヨークドライカットを打ち出している。30年以上のキャリアを持つ、同サロンのオーナー・粟田 輝さんが、ニューヨークドライカットを初めて見たのは1999年のこと。
「ニューヨークで活躍されている山根エイジさんのライブを見て、この技法を学ぼうと思いました。学べば学ぶほど、奥が深くて。自分が表現したいスタイルを創作するのに、一番理にかなった技法だと思っています」
ニューヨークドライカットとは、カウンセリングから始まり、シャンプーの後、髪を完全に乾かし、髪の毛1本1本をカットする緻密な技法のこと。故ジョン・サハグ氏が編み出した技法で、日本人美容師の山根エイジ氏が受け継ぎ、日本でもそのカット技法を広く伝承している。粟田さんは講師も務めている。
「カット時間はだいたい2時間ぐらい。でも、カットしている時は、目の前のお客様をキレイにしたい、ということしか考えていません。その人にとって、シルエットがどう出たら一番似合うのか、それを考えながらカットしています」
カット料金は1万5000円。同サロンでは90%の人がニューヨークドライカットをオーダーするという。粟田さんはカット中、お客様と1対1で対峙する。それを考慮して、サロンの内装は高級感がありながらも、プライベートサロンとして、とてもリラックスができる空間になっている。
「僕らは、お客様に満足していただくことがすべて。でも、お客様は、サロンでは100%は喜んでいないと思います。なぜなら、僕がスタイリングをしているから。お客様が家に帰って、自分で髪を扱ってみて、『あ、いい感じやな』とか、時間がたっても『いい感じやな』とか、友人と会った時に、『いいカットやね』と言われた時などに、お客様は100%喜ぶんだと思います。だから、ヘアスタイルというのは、お客様の生活にフィットしていくことが大事だと思うですよね」
通常のサロンに比べ、同サロンのカット料金は高い。その分、価値を上げていく必要があると、粟田さんが常に考えているという。何を期待してお客様が来店してくるのか? それを考えると、自分自身も常に挑戦することが大切だと、粟田さんは語る。
「お客様の期待に、僕は答えられるか? ということに、いつもチャレンジしています。アカンかったら明日はない。だから、一回一回が真剣勝負なんです。常連のお客様でも、その人にとって、ちょっとでも新鮮なものや刺激を与えることができるか? そういうことを常に考えています」

 

パッケージの リニューアルと同時に、 オリオセタの 全ラインナップを導入

フロントの横の棚に、オリオセタがディスプレイされている

同サロンが、オリオセタを導入したのは、今年の6月のこと。ちょうどパッケージがリニューアルされたタイミングだ。
「これは僕の好みですが、ブルーよりもピンクのほうが、香りが優しい感じがして、気に入っています。個人的には、ピンクもブルーと同じように、ラインナップが出たらいいのに、と思っています」
導入前に、お客様にもサンプルを配り、反応をみたところ、粟田さんと同じで、ブルーよりはピンクのパッケージの香りが好きな人が多かったとか。でも、ブルーのパッケージの香りが好きな人もいたので、両方のシリーズを全ラインナップ導入した。
「僕はムースが好きですね。ホールド力もほんのりあり、硬すぎず、柔らかすぎず、なんかいい感じに出ますね。ツヤ感が足りなかったら、オイルをつけてからムースでスタイリングしたり、ムースにオイルを混ぜたりもしています。ウエービーヘアや毛束感を出したい時に使っています。カッチリさせたかったら、スプレーを重ねてつけてもいいし、ニュアンスで表現したい場合は、ムースだけにしたりしています」
スタイリング剤は、お客様がどのような質感に髪を表現したいかによって、使い分けているという。全ラインナップの中で、お客様には、何が人気があるのかを聞いてみると、
「オイルですかね。だけど、オリオセタはシャンプーをはじめ、まんべんなく買ってくれますよ。うちでは、お客様が選ぶということはないんです。僕がチョイスすることが多い。お客様からも『何がお薦めですか?』と聞かれますし、髪質は美容師のほうが分かっているわけだから、その人に合ったヘアケア剤やスタイリング剤を薦めることが大事ですよね」 と答えが返ってきて、粟田さんとお客様の信頼関係の強さを感じた。その人に必要なものをチョイスして提案する。だからこそ、お客様も安心してその商品を使えるのだ。
「僕らの仕事は、手仕事の世界。だからこそ、商品にもこだわりを持って、お客様に提案していきたいですよね。オリオセタが気に入ったのも、オーガニック系化粧品だから。長く使い続けていくには、自然のものほうがいいと思うんです。化学的なものよりも、自然を破壊しないし、理にかなっていますよね」

 

作り手の思いや人生が 積み重なって、付加価値的な プライスが生まれる

同サロンの客層は30代後半以上がメインだというが、家族ぐるみで来られるお客様も多く、小学生から大学生まではスクールカット料金を設定している。小学生は3000円、中学生は3500円、高校生は4000円、大学生は4500円。多少時間的には短くなるものの、この料金でニューヨークドライカットを受けられる。
「ずっと通ってきてくれていて、社会人になったら、大人料金の1万5000円になります。でも、4500円の時に、いい仕事をしていたら、また来てくれるんですよね。僕は、お客様の美意識を育てるのも、美容師なんじゃないかなと思うんです。女性は誰でもキレイでいたいって思うじゃないですか。だから、変なヘアスタイルにはなりたくないんですよ」  中には東京で就職をして、ほかのサロンで施術を受け、ヘアスタイルの完成度に満足せず、大阪に帰ってきた時に、カットに来られるお客様もいるという。
「高価なものって、作り手の思いとか人生というのが積み重なって、付加値的なプライスがあると思う。お客様は、そこに価値を感じて、買いに来ているんだと思います。高いか安いかはお客様が決めることですけどね」
また、周辺地域だけでなく、広島や名古屋から新幹線に乗って来店されるお客様もいるという。それだけ粟田さんがつくるヘアスタイルに魅力を感じている証拠だ。
「人がつくるものは、その人自身が出てしまう。いい加減な気持ちで仕事をすれば、それがそのまま表現されてしまうし、愛情を込めて仕事をすれば、お客様に伝わりますよね。だから、技術を安売りすることではなく、自分がやりたい技法を見つけて、お客様に提案して、一人でも多くのファンを増やせるように頑張ったほうがいい。自分に自信を持って、自分の価値を上げていかないと、生き残っていけないと思います」
今、美容業界全体を見渡すと、技術を安売りする傾向にある。本当にそれでいいのか? 本来の美容の価値というのはどういうものなのか? と改めて考えさせられた。